アヤのテレパス訓練

──以下、念による微妙に成り立っていない会話をお楽しみ下さい。

アヤ「……、……。（翔子さん、聞こえてますか？）」

翔子「……、……！（今日の晩ご飯は生姜焼きがいいな！）」

アヤ「…、……、……？（えと、今日何か食べたい物とか、ありませんか？）」

翔子「…、……？（それとアヤ、最近なんかいい事でもあった？）」

アヤ「…、……。（それじゃあ、翔子さんの好きな生姜焼きにしましょうか。）」

翔子「……！んふ〈鼻で笑った〉……（さては結社で何か進展があったな！）」

アヤ「……、……？（どうしたんですか、生姜焼きで何か問題でもありますか？）」

翔子「…、……、…。（いや、この天然にこれ以上聞くのはよそう……。）」

アヤ「……。……。（じゃあレバニラにしますね。ところで最近暑いですね……。）」

翔子「……、……！（ところでアヤ～、最近暑いし、また星を見に川原でもいこ～！）」

アヤ「…、…、……。（あの、翔子さん……、翔子さんの寝相、何とかなりませんか……？）」

翔子「……。（あたしだって夏の大三角くらいは覚えたんだよ。）」

アヤ「……、……。（翔子さん、寝てるとき私を蹴飛ばすし、大声で寝言言うし……）」

翔子「……、……？（もしかしてアヤ、あたしと遊ぶのイヤ……？）」

アヤ「…、……。（え、あの、そんな泣きそうな顔しないでくださいよ……。）」

翔子「…、……。ぐすん…（やっぱり、あたしとはもう遊んでくれないんだ……。）」

アヤ「…、……、……！（う、ちょっと言い過ぎました、ですから泣かないでください、翔子さん！）」

翔子「……？…、……！（え、嫌いになってない？やったあ、じゃあ今度遊びに行こうね、アヤ！）」

アヤ「……。（今度星を見に連れて行ってあげますから……。）」

『あの、二人とも黙って見詰め合ってないで、何か喋って下さいよ。』

翔子「うるさいな～。今アヤが星を見に連れて行ってくれるって言ってるのに！」

アヤ「ええー、今の通じていたのですか！？」

翔子「う～ん、何となくそう言ってる気がしただけ。」

アヤ「もしかしたら私達、本当に何か『通じている』のかも……！」

勿論気のせいです。
因みにこの後、アヤさんと翔子さんは星を見に川原へ行きました。
（晩ご飯は結局、生姜焼きになりました。）